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反り腰…股関節屈曲位拘縮

股関節の軟部組織損傷

股関節は骨盤と下肢を連結する大関節で、体幹荷重の衝撃を和らげながら下肢に伝達し、同時に広い運動性と、しっかりした安定性を有している。股関節は鼠径部深部にあり、大きな筋に囲まれているため、他の関節のように直接関節を視診・触診して熱感や腫脹を感じることは困難であり、他動的な所見では可動域制限と運動時痛のみといったことも多い。また股関節損傷の痛みは、しばしば腰痛、殿部痛、坐骨神経痛、膝関節痛として訴えられることが多い。

股関節屈曲位拘縮

とくに股関節屈筋である腸腰筋、補助筋である大腿直筋、縫工筋などに損傷を起こした場合に、内・外転諸筋と同様に疼痛軽減の意味で屈曲位を保持する。これが股関節屈曲位拘縮となりうる。

(a)患者が起立のときは両下肢軸と体幹軸を平行にするために骨盤は前方傾斜を増加するので、その代償作用として腰椎の前弯が強くなる。
(b)背臥位でも骨盤の代償的前傾によって一見、屈曲位拘縮に気づかないことがある。
(c)下肢を外に振り出して歩いたり、尻を突き出して歩く。
(d)正座が不能であったり、正座ができても両膝がそろわなかったり、腰をそらせ尻を突き出す。
(e)背臥位で股関節と膝関節とを同時に屈曲するときは膝の屈曲制限はない。
(f)腹臥位で股関節を伸展位のまま、膝関節を他動的に屈曲すると、膝の屈曲制限があり、それ以上に膝を強く曲げようとすると尻が床面から持ち上がってくる(尻上がり現象)。 (g)この尻上がり現象は大腿直筋の拘縮の場合にのみみられ、他の内側、外側、中間広筋の拘縮ではこの現象はみられない。

股関節屈曲位拘縮の治療方法

(a)カイロプラクティック、整体、はり灸、骨盤矯正、ストレッチ等
(b)内・外転位拘縮、屈曲位拘縮における治療法では、手技のみに頼らず、筋を伸展する方向への抵抗運動、伸長運動に主体をおく。


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