腰痛・腰のこりとはり
腰痛について
腰痛とは
運動時あるいは安静時に腰部に痛みを感じる疾患(症状名)の総称です。
腰痛の原因
腰椎、椎間板、椎間関節、靭帯、筋・筋膜の障害が想定されます。人類が2本足で立位をとることに内在する宿命的な疾患ともいわれます。原因の種類としては、以下のものが挙げられます。
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退行性変性によるもの
椎間板ヘルニア、変形性脊椎症、脊柱管狭窄症。 -
骨代謝異常によるもの
骨粗鬆症、骨軟化症。 -
外傷によるもの
腰椎圧迫骨折、横突起骨折、打撲、脊椎分離症、脊椎すべり症。 -
炎症によるもの
筋炎、筋膜炎、化膿性脊椎症、結核性脊椎炎。 -
静力学的要因的によるもの
姿勢不良、筋肉疲労。 -
先天性の要因によるもの
仙椎の腰椎化、奇形。
腰痛の症状
1 急性腰痛症
疼痛は腰部に限らず、殿部、大腿後面や側面などにも出現することがあるが、原則として下肢神経症状は伴わない。腰痛は運動により増強され、安静により消失。ギックリ腰とはちょっとした体の動きで急に発症し、場合によっては激痛のため歩けなくなるような発作性の腰痛症を俗に「ギックリ腰」という。その真実の病態は不明であるが、多くの場合は腰椎における椎間関節内への滑膜の陥入であると考えられている。また、中には椎間板ヘルニアの始まりのこともあれば、何らかの拍子に生じた筋肉、筋膜、靱帯の微小損傷のこともある。欧米では、「魔女の一撃」とも呼ばれている。
2 慢性腰痛症
慢性に持続する腰痛があっても、はっきりとした原因が判明しているものはこのカテゴリーに含まれず、各々の疾患として捉えるべきである。問題は原因がはっきりしない状態で6ヶ月以上続くような慢性腰痛症であるが、多くの場合は複合的な要因が関与していて単純ではない。繰り返される微小外傷、精神的なストレスなどが影響しているし、痛みからくる筋肉の緊張状態や、筋肉の長期疲労から阻血や拘縮を起こしていて、痛みの悪循環から抜け出せない状況となる。また、肥満による腰への過重な負担、背筋や腹筋の未発達状態、不良姿勢などもしばしば関与している。さらに慢性的な疼痛は、イライラや抑うつ状態など心理的な要因まで加重され、器質的障害から想像される以上の痛みを訴えることもある。背骨である椎骨と呼ばれている骨の構造は、上下の椎体と関節版を挟んで重なり合い、その間を靱帯が連結して外れないよう強められています。椎間板はクッションの役割をしています。輪切りにするとバームクーヘンのような線維輪の中にクリームのような柔らかいゲル状の半液体状の髄骨が入っています。上下の椎体が柔らかい髄核を押しつぶす形で外側に突出した状態がヘルニアであり、線維輪の外まで髄核が脱出すると神経根を圧迫して炎症を起こし、痛みが生じると考えられています。髄核が炎症を起こすことによって白血球のマクロファージの働きが活発になります。マクロファージは飛び出してきた髄核を次第に吸収するため、線維輪の外まで髄核が脱出しない方が、痛みが持続するかもしれません。線維輪の外層には椎骨洞神経が分布していて、椎間板の内部には分布していません。しかし、椎間板が損傷を受けると、血管と椎骨洞神経が椎間板内部に進入し、椎間板内の炎症に反応して、痛みを引き起こすとも言われています。
腰痛の治療方法
急行性は全体を触れないようにして、炎症症状を早く抑えるようにし、カイロプラクティック、整体、はり灸、骨盤矯正、ストレッチ等を行ないます。慢性期に関しては、痛みの発生機序によりやり方が変わります。
腰痛の予防方法
適度な運動を行なう
ウォーキングのような適度な運動を毎日行うと、脳の血流が良くなり脳の中で痛みを抑える物質が増えてきます。
できる範囲で通常の生活を続ける
仕事をするなどして痛みが出ないでできる範囲で普段通りの生活を続けてください。必要最小限の安静で動ける範囲で動いた方が痛みが出にくくなります。
ストレス対策を行なう
楽しいことをすると脳の血流がよくなり、痛みを抑える物質が増えて痛みが抑えられることがわかっています。好きなものを食べたり、好きな映画を見たり、好きな音楽を聴くなど生活の中にリラックスできる時間を取り入れましょう。痛みが慢性化する前に予防することが大切です。