舟状骨骨折(足)
舟状骨骨折(足)について
舟状骨骨折(足)とは
舟状骨骨体部骨折は足部の伸展(背屈)強制により起こる。舟状骨粗面の骨折は後脛骨筋の牽引により起こる。
舟状骨骨折(足)の原因
介達外力(離れた部分に加わった外力)による発生頻度が高い。骨体部の骨折は高所より墜落して足部アーチが圧平され、アーチの最高部にある舟状骨が距骨骨頭と楔状骨によって強く圧迫されて骨折する。背側の骨片は転位し脱臼することが多い。舟状骨の骨折は、足部の外転により後脛骨筋の牽引力による剥離骨折を起こす。直達外力により、上方または下内方の粗面が骨折することがある。
舟状骨骨折(足)の症状
舟状骨部の腫脹、限局性圧痛、骨片突出、第1~3中手骨からの介達痛、荷重痛、歩行困難であるが踵部でも歩行は可能。足の回内回外運動に制限がある。舟状骨の内方不全脱臼では内側部への突出があり、上方が圧潰されると足のアーチが低下する。外脛骨や第1Kohler病との鑑別に注意する。
舟状骨骨折(足)の治療方法
骨体部骨折の転位がないものは、下腿近位端より足先まで固定し、足背部に厚紙、スダレ副子を当てる。固定時ならびに歩行時に足底挿板を用い外傷性扁平足の予防に努める。転位のあるものは観血療法が望ましい。粗面あるいは背面の剥離骨折は、骨片が合う肢位で固定するが、通常は骨片が小さいために骨癒合しないことも多く、観血療法(摘出)が行われることが多い。
舟状骨骨折(足)の予防方法
骨体部骨折は足の形態変化に関係する。外傷性扁平足を残すと難治の足痛となる。